現代短歌PD(パブリックドメイン)文庫は、著作権の保護期間が満了した歌人の歌集を電子テキスト(特にHTML形式)として提供していくプロジェクトです。
著作権の保護期間が満了した歌集等の作品については、誰もが簡単にアクセスできるような場所において、すみやかに広く開示され、現代の歌人の創作活動に資するべきと考え、ここに提供します。
なお、作業中および作業予定の作品には、すでにWEB上に電子テキストとして存在するものや、パブリックドメインテキストの代表的サイトである「青空文庫」に存在するものもあります。しかしながら、これらを改めて高いニーズのある短歌関係者の身近に、そして容易いアクセスができる場所にまとめておくことは価値があると考えます。
公開中および作業中の歌集のリスト
本プロジェクト推進上の注意点
なお、これらのテキストは本プロジェクト管理人自身の学習の意義も込めていますので、他サイトからのテキストデータを流用することはいたしません。作業速度的には年に1冊程度が見込めればよいと考えています。
なお、当サイトが提供する現代短歌PD文庫については、商用非商用、個人非個人に関わらず、またどのような目的であろうと、パブリックドメインとなった底本テキストの電子化部分のみに関してはコピーしてそのまま流用することに何の問題もありません。ぜひ自由にお使いください。当サイトが独自に提供する総ルビや解説などについては著作物にあたりますので、転載および流用の権利はございません。
作業対象決定の優先順位
以下の優先順位をもとに、複合的に判断して定めます。
- 著名な歌人の歌集
- Web上に電子テキストとして存在しない歌集
- 青空文庫に存在しない歌集
作業ステータスの凡例
- 入力作業中
- 入力完了
- 初校完了(入力者による底本との比較)
- 二校完了(入力者による他版との比較)
- 三校完了(入力者以外による底本相当との比較)
なお、ステータスがLv.3(初校完了)に達した時点でそのテキストはWeb上に公開します。本格的な校正作業を補完する形で閲覧者からの指摘を期待するものです。
今後の作業対象として検討中の歌人のリスト
著名な歌人の中で、著作権が切れた歌人を列挙します。
現在、1967年12月31日までに亡くなっている人物の作品については、当時の著作権法が定める保護期間が死後50年であるため、パブリックドメインとなっています。一方、1968年1月1日以降に亡くなっている人物の作品については、現行の著作権法が定める保護期間が延長され死後70年となっているため、2021年時点で該当する人物はありません。
上記をふまえ、現代歌人の知名度ランキングから、条件に該当する歌人を順に20位まで並べています。これらの歌人の作品を中心に作業をすすめていきます。もちろん、このリストに含まれていない歌人であっても電子化の意見があればそちらを優先する場合がありますので、ご意見いただければと思います。
No. | 歌人 | 没年 | 公有化 |
---|---|---|---|
1 | 正岡子規 | 1902年 | 1953年 |
2 | 与謝野晶子 | 1942年 | 1993年 |
3 | 石川啄木 | 1912年 | 1963年 |
4 | 北原白秋 | 1942年 | 1993年 |
5 | 斎藤茂吉 | 1953年 | 2004年 |
6 | 若山牧水 | 1928年 | 1979年 |
7 | 与謝野鉄幹 | 1935年 | 1986年 |
8 | 佐佐木信綱 | 1963年 | 2014年 |
9 | 窪田空穂 | 1967年 | 2018年 |
10 | 島木赤彦 | 1926年 | 1977年 |
11 | 吉井勇 | 1960年 | 2011年 |
12 | 伊藤左千夫 | 1913年 | 1964年 |
13 | 柳原白蓮 | 1967年 | 2018年 |
14 | 会津八一 | 1956年 | 2007年 |
15 | 中城ふみ子 | 1954年 | 2005年 |
16 | 長塚節 | 1915年 | 1966年 |
17 | 岡本かの子 | 1939年 | 1990年 |
18 | 釈迢空 | 1953年 | 2004年 |
19 | 前田夕暮 | 1951年 | 2002年 |
20 | 吉野秀雄 | 1967年 | 2018年 |
本プロジェクトの必要性について
テキスト資産の分散保存を意図します。かつてジオシティーズやNAVERまとめの終了によって、多くの貴重なネット上のテキスト遺産が失われました。同等のテキストがひとつ存在するからといって、それは永続的な存在を意味することではありません。同等のモノが多数存在することのリスクヘッジこそがネットの最大のかつ本来的な効用であると考えます。
専門家による質の保全を期待しています。どのような作業においても誤りは必ずあります。大切なことはそれをどれだけ即応的に見つけ、受け取り、修正できるかということだと考えます。歌人という専門性の高い集団の身近にテキストを集中させることは、より質の高い校正を期待できると考えています。
効率的な作業推進の指針を得ることができると期待しています。一か所に作業済みテキストを集中させることにより、次の作業対象を検討する際において、専門家集団による、より意義のある選定の意見を得ることが出来ると考えています。
本プロジェクトの作業指針
- 底本の漢字が旧字体の場合、これを新字体と改める。
- 底本の仮名遣いが旧仮名の場合は、そのまま旧仮名とする。
- 新仮名を基本とした歌集において、ルビに即拗音を大字で記すものは小字とあらためる。
- グループルビまたは熟語ルビを基本とする。
- 踊り字は底本の通りとする。