毎月ほどの間隔で定期的に短歌の投稿を募集している企画についてまとめました。
ここでは初心者向けというか参加しやすさというところを重視しています。
- 比較的小規模で入選確率が厳しすぎない。
- 今後の継続性、情報の安全性など、信頼性がある。
- 特別な費用や参加条件などがない。
などを条件として、これによりマッチする企画を上位としています。
最新の投稿先情報はこの2つをチェック!
- 毎月開催の投稿募集!
「短歌生活カレンダー」 - 年1開催のコンクール!
「短歌の公募新人賞・コンクール募集情報」
1. 青春短歌甲子園
短歌レーベル「眠れる川」主催の公募企画です。毎月、青春をテーマにした短歌を募っています。2020年6月に第1回が開催されて以来、現在(2021年1月)で第8回を数えます。
なによりも特徴的なのは入選数の多さ。第6回大会では365首の応募に対して130首が入選し、このすべてに選評がつけられました。他の公募に比べて群を抜いて選評をもらえる確率(35.62%)が高く、短歌の投稿経験がまだ少ない方にとって、大きな成功体験を狙える貴重な企画といえるでしょう。
傾向としては、定型を極めて重視しており、実験的な作風は好まれないようです。また、全年齢の短歌大会であることを目指しているため、性愛の歌などもまた好まれないようです。
第6回は東西対抗戦、第7回は告白短歌、第8回は投稿者参加型の互選形式と、参加者を飽きさせない企画も次々と提供されています。
青春短歌甲子園のいいところ
- 選評をもらえる率が高い(365首中130首)
- 商品がある(上位入選者に「からあげクン」など)
青春短歌甲子園のむずかしいところ
- 必ず青春をテーマに詠まなければならないので、向かない人もいる。
- 選評を読むのは有料である(ただし300円と極めて安価)
その他参考情報
締切 | 毎月15日(主催側は10日までを希望) |
選者 | 君野 シリウス |
WEB | 青春短歌甲子園 – note |
青春短歌甲子園 |
2. 階段歌壇
短歌のwebマガジン「TANKANESS」の短歌公募企画です。2020年5月に第1回の募集が行われ現在(2021年1月)で第9回を数えます。未発表作品を1人3首まで投稿でき、月々に題が変わるところなど、非常にオーソドックスな短歌投稿先といえるでしょう。
階段歌壇のいいところ
- オーソドックスなルールで誰でも参加しやすい。
- 検索にフレンドリーなwebサイト上で公開される。
階段歌壇のむずかしいところ
- 応募総数が公開されていないので難易度が測れない。
その他参考情報
3. 恋愛短歌同好会
toron*さんが企画、運営する短歌公募企画です。第35回の開催においては299首の投稿がありました。ツイキャスにて公開合評会を行い、その後誰でも投票を行える形で首席を決めるというものです。Twitterで短歌をやる方にとっては非常に有名な企画なのではないでしょうか。
2017年12月に第1回の合評会が行われて以来現在で第36回を数えます。常に「恋愛」というテーマに縛られる制約はありますが、短歌において恋愛は非常によく詠まれる大きなテーマなので、さほど大きな障害にはならないことでしょう。
恋愛短歌同好会のいいところ
- メインの選者とゲスト選者が変わるのでマンネリ化しにくい。
- 相性の良い選者のときは入選確率が大きく上がる可能性も。
- 一方固定の選者(toron*さん)もいるので安定した評価軸も持てる。
恋愛短歌同好会のむずかしいところ
- 常時テーマは「恋愛」なので向かない人もいる。
その他参考情報
締切 | 毎月20日 |
選者 | 前回の首席者[1]、ゲスト、toron* |
入選数 | 選者選6、ゲスト選3、会長選3 |
WEB | 恋愛短歌同好会 – toron* – note |
恋愛短歌同好会 |
[1]首席者が選者を受けるかは任意のため必ずしもこの限りではありません。
4. たんたか短歌
ラジオ石巻で隔週放送されている短歌のラジオ番組における公募です。2019年4月2日に初回放送があって以来、現在(2021年1月)で第45回の放送を数えます。第45回の公募では176首の投稿がありました。
たんたか短歌のいいところ
ラジオ放送で自分の歌が読まれる喜びは格別。
たんたか短歌のむずかしいところ
再放送も含めてタイミングを逃すと聴けない。
その他参考情報
締切 | 隔週月曜日 |
選者 | 近江 瞬、他1名 |
入選数 | 8~10首(内選者特選各1首、特選1首)[1] |
短歌部カプカプ@たんたか短歌 |
[1]ラジオで紹介される歌の数。他に後日発行される会報に選評付きが15~20首、歌のみ40首前後が掲載されます。
5. 月刊うたらば(うたらば)
田中ましろさんが発行する短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」では、不定期刊(年3回程度)の同誌に写真とともに掲載する短歌の募集とは別に、「月刊うたらば」題して毎月短歌の投稿を募集しています。最新2021年1月号の応募には840首の応募があり、選者の田中ましろさんの1首を加えた39首がWebサイト上に掲載されました。
また、この4か月分ほどの中からさらに厳選された10首がフリーペーパー「うたらば」にも掲載される仕組みになっています。最新号(2020.12 vol.28)の例では、7~10月の月刊うたらばへの投稿2933首、入選150首の中から10首が掲載されていることとなります。
フリペの掲載は率にして0.34%と極めて狭き門ですが、月々の入選を目指すのならば非常にオーソドックスな短歌投稿先として多くの方に適しているのではないでしょうか。
月刊うたらばのいいところ
- 制約は月々のテーマのみ。オーソドックスな公募スタイルである。
- 選歌基準を提示しているので対策を立てやすい。
- フリペ版への掲載というボーナスもある。
月刊うたらばのむずかしいところ
- フリペ掲載までいかないと選評はない。
その他諸情報
6. 覆面短歌倶楽部
ユニークなところでは、あの井さんが企画、運営する覆面短歌倶楽部も面白い投稿先です。
覆面短歌倶楽部は選がありません。投稿すれば基本毎月発行されるPDFやネットプリントに掲載されることになります。ただしここで一風変わっているのは、作者名が隠されて掲載されるというところです。ここに覆面の名を冠する理由があります。読者は誰の作品なのかわからず鑑賞することになりますが、それはその次の月に発行されるPDFで明かされる(覆面剥ぎと称す)という仕組みです。
選がないので、格別の喜びというのは感じにくいですが、しっかりとしたPDFやネットプリント冊子に自分の歌がまとめられるのはとても気分がいいものです。また、自分と同じ並びで並んだ歌が実は有名な歌人ということもあるかもしれないというのも面白いところです。
選がない覆面短歌俱楽部ですが、一方で参加者の多くがTwitter上で目に付いた歌に勝手に評をしてくれます。いわばこれが選になるといえるでしょう。
広く活躍する歌人を差し置いて評判になる…というのは夢を見すぎかもしれませんが、まったく知らない人が一人でも、フラットな目で自分の歌を見出してくれたときの喜びというのは、他の企画では味わえないものがあります。
覆面短歌倶楽部のいいところ
- 確実に紙面に自分の歌が載る。
- 落とされる悲しさを直接的に味合わないで済む。
覆面短歌倶楽部のむずかしいところ
- Twitterアカウントがないと楽しみにくい。
その他諸情報
締切 | 毎月1日 |
選者 | なし |
WEB | 覆面短歌倶楽部 – note |
覆面短歌倶楽部 |
7. Photo Tanka Collection(うたらば)
「月刊うたらば」の項目でも説明した通り、田中ましろさんが発行する短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」が募集する企画です。1枚の写真が提示され、その写真と組み合わせたときにグッとくる短歌を募るものです。2020年8月に第1回が始まって以来、2020年1月現在で第6回を数えます。
Twitterに投稿された写真と応募規程のツイートにレス(返信)する形で投稿をします。第6回の募集ツイートには221レスがあり、うたらば自身による締切のレスを除けば、およそ220首の投稿があったものと思われます。これに対して採用されるのは1首のみ。第6回の掲載確率は0.45%とという非常に厳しい数字となっています。
Photo Tanka Collectionのいいところ
- Twitter上で気軽に投稿参加できる。
- 選歌基準を提示しているので対策を立てやすい。
- 他者の投稿歌が見えるので、傾向やレベルが把握しやすい。
Photo Tanka Collectionのむずかしいところ
- 開催時期が正確に決まっていないので見逃しやすい。
- 掲載1首だけのため非常に確率が厳しい。
- Twitterアカウントがないと参加できない。