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近現代短歌史年表 1882-1994

この記事では、1882年から1994年までの近代から現代に及ぶ短歌の歴史年表を提供するものです。

現代短歌の豊かさを育んできた先人たちのトライアルは、今を生きる歌人の活動に活かすことで、その本懐を果たせるものと信じます。あらゆる歌人が等しく簡単にアクセスできる年表をここに記すことで、その目的を果たしたいと思います。

はじめに(期間について)

期間は1882年から1994年の112年間とし、その理由については以下の通りです。

1882年を始まりと定めることについて

1893年の落合直文による浅香社の設立を和歌革新運動の着手と見て、近代短歌の夜明けと定めることに多くの人が異論はないと思います。この前夜の事件としての「『新体詩抄』による和歌批判」も語るべき材料として提供したく、この刊行年である1882年を本近現代短歌史年表のはじまりの年と定めるものとします。

1994年を終わりと定めることについて

最適日常では、近々の現代短歌史はインターネットとともに歩んできたものと捉え、いわゆるインターネット元年とされる1995年からの短歌史年表である「現代短歌の事件簿 ―’95年以降の短歌史年表」を提供しています。そこで本年表ではその前年たる1994年を終わりの年と定めるものとします。

お願い

私一人では大いに手に余る仕事ですので、ぜひ皆様のお力添えを願います。知見や情報の提供、間違いの指摘などございましたら、コンタクトフォームまたはTwitterのDMのほうにご連絡いただければ幸いです。

1882年から1994年までの短歌界のできごと

1880~90年代

日付できごと
1882.8『新体詩抄』刊行。その序において井上哲次郎、外山正一らが和歌を短小と断じ、宏大な思想を表現するに能わないと批判した。
1893落合直文が「あさ香社(浅香社)」を設立
1898.2正岡子規による「歌よみに与ふる書」の連載が新聞「日本」紙上で始まる。
1898.2佐佐木信綱が『心の花』を創刊
1899.3.14子規庵にて正岡子規、岡麓、香取秀真ら6名による歌会が開催。根岸短歌会の始まり。
1899.11.11与謝野鉄幹が「あさ香社」から分かれ「東京新詩社」を設立(1949年10月解散)

1900年代のできこごと

日付できごと
1900.4東京新詩社の機関誌『明星』を創刊(1908年11月、第100号で廃刊)
1901鳳晶子(与謝野晶子)、第1歌集『みだれ髪』出版(東京新詩社と伊藤文友館の共版)
1902.9.19正岡子規死去
1903.1島木赤彦が『比牟呂』創刊
1903金子薫園が「白菊会」を結成(~1906)
1903.6根岸短歌会の機関誌『馬酔木』創刊(~1908)
1904歌誌『心の花』が「竹柏会」の機関誌に
1905土岐湖友(善麿)が「白菊会」に加入
1905尾上柴舟を中心に若山牧水、前田夕暮らが「車前草社」を設立
1905窪田空穂、第1詩歌集『まひる野』刊行
1906前田夕暮が「白日社」を創立
1908伊藤左千夫らを中心に『阿羅々木』創刊(のちのアララギ)
1909『比牟呂』と『阿羅々木』が合併し『アララギ』となる
1909『スバル (昴)』 (09~13)

1910年代のできごと

日付できごと
1910.9朝日新聞紙上に朝日歌壇が設けられる。初代選者に石川啄木
1910石川啄木、第1歌集『一握の砂』刊行
1910吉井勇、第1歌集『酒ほがひ』刊行
1910尾上柴舟が「短歌滅亡私論」(『創作』1910.10)の評論
1910前田夕暮の第1歌集『収穫』刊行
1911.4前田夕暮が白日社の歌誌『詩歌』を創刊
1912石川啄木、第2歌集『悲しき玩具』(東雲堂書店)刊行
1912.2与謝野晶子『新訳源氏物語』(金尾文淵堂)刊行
1912.12.20岡本かの子、第1歌集『かろきねたみ』(青踏社)刊行
1913アララギ叢書第1編、島木赤彦・中村憲吉の第1合著歌集『馬鈴薯の花』出版
1913北原白秋、第1歌集『桐の花』刊行
1914『国民文学』創刊
1914尾上柴舟が『水甕』を創刊
1915太田水穂が『潮音』を創刊

1920年代のできごと

日付できごと
1921第2次『明星』(21~27)
1924『日光』創刊。古泉千樫、釈迢空、石原純らが『アララギ』を脱退、北原白秋、前田夕暮らと合流して。
1925.5.30釈迢空の第1歌集『海やまのあひだ』(改造社)刊行
1926釈迢空(折口信夫)が「歌の円寂する時」を発表
1928木俣修が『形成』を創刊
1929逗子八郎が歌誌『短歌と方法』を創刊

1930年代のできごと

日付できごと
1930『冬柏』 (30~52)
1930前川佐美雄『植物祭』刊行
1930.5違星北斗の遺稿集『違星北斗遺稿 コタン』(希望社)刊行
1932.10改造社の『短歌講座』の付録月報を独立させて『短歌研究』創刊
1934前川佐美雄『日本歌人』を創刊
1935北原白秋が「新幽玄」と「新象徴」を理念とした短歌雑誌『多磨』を創刊
1938.10与謝野晶子『新新訳源氏物語』(金尾文淵堂)刊行
1939明石海人の第1歌集『白描』(改造社)刊行
1939.4『心の花』同人で、研究会「三々会」メンバーらが斎藤瀏を主宰として「短歌人会」設立

1940年代のできごと

日付できごと
1940合同歌集『新風十人』(八雲書林)刊行
1944『反措定』創刊
1944.11『短歌研究』が木村捨録の「日本短歌社」発行に移る
1946「新歌人集団」設立(~1948)
1946桑原武夫が『世界』11月号に「第二芸術――現代俳句について」を発表
1947第3次『明星』 (47~49)
1948.9「日本歌人クラブ」設立。斎藤茂吉・土屋文明・釈迢空・尾上柴舟・佐佐木信綱・窪田空穂・土岐善麿・前田夕暮をはじめとする183名の発起人、および太田靑丘・渡辺順三・近藤芳美・佐藤佐太郎・木俣修・宮柊二・香川進ら当時の中堅歌人らによって結成
1949.2宮崎信義が口語自由律歌人に呼びかけ『新短歌』を創刊

1950年代のできごと

日付できごと
1951近藤芳美が歌誌『未来』を創刊
1951.8.7塚本邦雄の第1歌集『水葬物語』(メトード社)刊行
1953.5『短歌人』が選挙による編集委員制に移行
1953宮柊二が「コスモス短歌会」を設立。3月に歌誌『コスモス』の1巻1号を発行

1953.5
『地中海』創刊(編集兼発行人・香川進、印刷人・山本友一)
1954高安国世が「塔短歌会」を設立
1954『短歌研究』4月号にて中城ふみ子が「乳房喪失」(旧題:冬の花火)で第一回五十首詠(後の短歌研究新人賞)特選
1954『短歌研究』11月号にて寺山修司が「チェホフ祭」(旧題:父還せ)で第二回五十首詠(後の短歌研究新人賞)特選
1954角川『短歌』創刊
1955「角川短歌賞」設立。第1回の結果は該当作なしであった。
1956.1.29「現代歌人協会」が設立。62人の発起人を中心に結成。

1960年代のできごと

日付できごと
1960.12.5岸上大作死去
1962.1『短歌研究』が小野昌繁の「短歌研究社」発行に移る
1967迢空賞の設立。第1回は吉野秀雄の『病室の牡丹』他に贈られた。

1970年代のできごと

日付できごと
1971.6.25中井英夫『黒衣の短歌史』(潮出版社)
1976女性雑誌『ミセス』(文化出版局)が「現代短歌女流賞」を創設。第1回の受賞は石川不二子『牧歌』(1988年の第13回まで開催)

1980~90年代のできごと

日付できごと
1984.4歌誌『かばん』創刊
1985塚本邦雄が結社「玲瓏」を設立し機関誌『玲瓏』を創刊
1987​.5.8俵万智、第1歌集『サラダ記念日』(河出書房新社)刊行
1989光本恵子が「新短歌信濃支部」から「未来山脈」を設立
1990.10穂村弘、第1歌集『シンジケート』(沖積舎)刊行

1995年以降のできごとについては、「現代短歌の事件簿 ―’95年以降の短歌史年表」に続きます。

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