20世紀の100冊の歌集

この記事では20世紀(1901~2000年)に刊行された歌集の中から短歌の歴史において重要と思われる歌集100冊を選定するプログラムをまとめるものです。

選定の基準は様々です。当然ながら作品として優れた歌集、今読んでも素晴らしい価値ある歌集であるというのは大きな要素となります。またそれだけではなく、今から見ると作品としての価値は他に譲るところがあるものの、当時の歌壇に与えた影響なども考慮します。そして歌人として重要な仕事をした人物をこのリストに含めるため選定される歌集もあります。近現代短歌の歴史を見渡す役割も持たせたリストになるものと期待しています。

一旦ここにたたき台としてのリストを提示し、これを多くの知見を集めて有益なリストに修正していきたいと考えます。

後世に残したい20世紀の重要な歌集100

20年スパンで20冊ずつを選定することを基本とします。重要な歌集の発行が毎年平均的に行われるはずもありませんので、各年に1冊はもとより10年単位で区切ることも難しいと考え、20年で区切る形とします。しかしそれでも或る20年の21位の歌集が、或る20年の20位の歌集よりはるかに重要と言うことはあり得ます。評価値が大きく上回る場合、或る20年の選書は19冊、或る20年の選書は21冊とすることがあります。またこれは18冊と22冊、17冊と23冊と移動する可能性はありますが、その際は必要な評価値はより大きなものが求められる設計としていきます。

1901~20年の20冊

No.タイトル発行年著者
1みだれ髪1901鳳晶子(与謝野晶子)
2つゆ草1902太田水穂
3おもひ草1903佐佐木信綱
4竹の里歌1904正岡子規
5まひる野1905窪田空穂
6静夜1907尾上柴舟
7一握の砂1910石川啄木
8別離1910若山牧水
9NAKIWARAI1910土岐哀果(土岐善麿)
10相聞1910与謝野寛(与謝野鉄幹)
11酒ほがひ1910吉井勇
12悲しき玩具1912石川啄木
13かろきねたみ1912岡本かの子
14桐の花1913北原白秋
15赤光1913斎藤茂吉
16踏絵1915柳原白蓮
17涙痕1916原阿佐緒
18長塚節歌集1917長塚節
19左千夫歌集1920伊藤左千夫
20金鈴1920九条武子

1921~40年の20冊

No.タイトル発行著者
太虚集1924島木赤彦
一路1924木下利玄
川のほとり1925古泉千樫
海やまのあひだ1925釈迢空
コタン1930違星北斗
植物祭1930前川佐美雄
軽雷集1931中村憲吉
山谷集1935土屋文明
白猫1939明石海人
鹿鳴集1940会津八一
魚歌1940斎藤史
歩道1940佐藤佐太郎

1941~60年の20冊

No.タイトル発行著者
1941川田順
寒蝉集1947吉野秀雄
さんげ1947正田篠枝
埃吹く街1948近藤芳美
山西省1949宮柊二
水葬物語1951塚本邦雄
乳房喪失1954中城ふみ子
まぼろしの椅子1956大西民子
空には本1958寺山修司
未青年1960春日井建

1961~80年の20冊

No.タイトル発行著者
朝狩1964岡井隆
子午線の繭1964前登志夫
羊雲離散1968小野茂樹
みずかありなむ1968山中智恵子
バリケード・一九六六年二月1969福島泰樹
群黎1970佐佐木幸綱
朱霊1970葛原妙子
森のやうに獣のやうに1972河野裕子
望郷篇1974浜田康敬
瞑鳥記1974伊藤一彦
メビウスの地平1975永田和宏
湧井1975上田三四二
汽水の光1976高野公彦
桜花伝承1977馬場あき子
バルサの翼1978小池光
こおろぎ1980山崎方代

1981~2000年の20冊

No.タイトル発行著者
とこしへの川1981竹山広
鳳仙花のうた1984李正子
水惑星1984栗木京子
わたしは可愛い三月兎1985仙波龍英
MARS☆ANGEL1986林あまり
ラビュリントスの日々1986坂井修一
サラダ記念日1987俵万智
鴇色の足1988奥村晃作
サニー・サイド・アップ1988加藤治郎
シンジケート1990穂村弘
四月の魚1990正岡豊
百乳文1991森岡貞香
アトム・ハート・マザー1995辰巳泰子
春原さんのリコーダー1996東直子

石原純、今井邦子、生方たつゑ、木俣修、坪野哲久、窪田章一郎、加藤克巳、岡野弘彦、玉城徹、千葉聡、枡野浩一、荻原裕幸

こちらの記事もおすすめです

タイトルとURLをコピーしました