聖地巡礼!短歌好きなら一度は行ってみたい全国のお店やスポット6選

この記事では、短歌とかかわりの深いお店や場所などについて紹介します。

全国には短歌とかかわりの深いお店やスポットがいくつか存在します。文芸のことだから書店や図書館のことだろうと思うかもしれませんが、その業種は様々です。例えば近年「短歌の聖地」などと呼ばれ多くの歌人に親しまれている平和園は中華料理屋さんだったりします。

もちろん短歌関連書籍に力を入れている書店から、なぜそんな業種のお店が短歌のスポットなの?といったところまで幅広く紹介していきたいと思います。

いつかあなたが列島縦断短歌の旅をするときに便利なように、北は北海道から並べて紹介したいと思います。

短歌の聖地6スポット

雨とランプ(北海道札幌市)

「雨とランプ」は北海道札幌市で営業されている美容室です。

短歌とのかかわりは店主の久石ソナ(大塚卓人)さん自身が詩人でありまた歌人でもあります。2021年2月には待望の第1歌集『サウンドスケープに飛び乗って』を上梓しました。そしてまた美容室自体も、お客さんに文芸との出会いを提供することをコンセプトとしており、歌集の委託販売やフリーペーパーの設置するなど、その存在は短歌関係者にとって特別な存在として認知されています。

札幌に訪れる機会があるなら、ぜひ「雨とランプ」さんまで足を延ばして、店主の久石ソナさんと短歌談議に花を咲かせつつ髪を整えてもらうというのはいかがでしょうか?

kamebooks(千葉県市川市)

「kamebooks(カメブックス)」は、もしかしたら日本で一番小さな本屋さんかもしれない千葉県市川市にある本屋さんです。その広さ(狭さ?)はなんとたったの約1坪(タタミ2畳分)!!!ナニコレ珍百景にも登録されました。

この面積だけでも非常にユニークな存在ですが、短歌とのかかわりも深い書店でもあります。店主である吉田重治さんの短歌への傾倒は深く、自らも歌人の鈴木晴香さんの短歌教室に通うほど。そのため1千冊ほどの販売書籍において、かなりの比率が歌集などの短歌関連書籍になっています。

このもしかしたら日本一小さな本屋さんは、もしかしたら日本一歌集の取り扱い比率が多い本屋さんかもしれません。

書籍だけでなく、短歌のフリーペーパーまでも。関東在住、または近くに立ち寄る機会があれば、このkamebooksさんで吉田さんと好きな歌人の話をしながら、おすすめの歌集を購入するなんて楽しそうですね。

なお、営業は土日祝が中心。その狭さのためゆっくりと買い物を楽しめるのは1人が限界のようで、基本的には来店には予約をしてからの方が良いようです。

枡野書店(東京都杉並区)

現代短歌を代表する歌人の枡野浩一さんが営む仕事場兼書店です。もうこの一文だけで説明十分な気もします。

残念ながら現在は書店としての営業はお休み中の模様。仕事場、YouTubeの配信、各種イベントのときのみ利用しているようです。また気軽に枡野さんにお会いできるような活動が再開されることを期待したいところですね。

平和園(愛知県名古屋市)

長年名古屋の町中華として親しまれてきた中華料理店「平和園」。近年短歌界で短歌の聖地といえばこちらを指すことが多いでしょう。2代目店主の小坂井大輔さんが歌人であることがその大きな理由です。2019年には第1歌集『平和園に帰ろうよ』を上梓しました。

もともと名古屋は春日井建と中部短歌会、岡井隆や加藤治郎と未来短歌会、そして荻原裕幸などといった多くの有名歌人や結社との関係が強い土地でした。そういった環境の中で、店主の小坂井さんが短歌に本格的に取り組むにつれ自然と歌人が訪れるようになったようです。小坂井さんの歌人としての実力、料理人としての腕、そしてその人柄が、多くの近隣に住まう歌人をして「再び訪れたい場所」として認知させるとともに、さらには遠く離れた歌人たちをして「いつか訪れたい場所」と想われるようになりました。

平和園に訪れる歌人の目的は小坂井さんと会うこと、評判の中華を味わうことがありますが、それともう一つ「炒飯と餃子と唐揚げ」と題されたスケッチブックに一首を寄せることも大きな目的となっていることでしょう。聖地を訪れた記念として忘れずに果たしておきたいものです。

葉ね文庫(大阪府大阪市)

歌集だけでなく句集や詩集といった詩歌の新刊書を多く扱う書店です。詩歌中心の書店というのは少ないながらも全国にいくつか存在しますが、その中でも特に有名な存在かもしれません。2014年12月に開業。普段はウェブ関連の仕事をされている池上きくこさんがその傍らに営業されています。そのため営業日は変則的で、火曜、木曜の夜と、土曜の昼夜が基本となっています。

葉ね文庫を特別な存在にしている要素はいろいろあります。池上さんの人柄はもちろん、大阪という立地条件もあるでしょうし、変則的な営業スタイルや、「葉ねのかべ」と称される文言展示スペースの存在、また商業ビル内の店舗にもかかわらず靴を脱いで上がらなければならなかったりするあたりも特別な体験を味合わせてくれることでしょう。

中でも歌人にとっては、来店者が詠草を残せる短冊の存在が特に心を寄せるポイントです。お客さんとしてというだけでなく、もう一歩、いわばこの書店に「参加」できるような仕組みがあることが、ひときわ愛される理由なのかもしれません。

大阪、いや関西に訪れる予定がある際は、必ずこちらの来店をスケジュールに組み入れておきたいところですね。

本のあるところ ajiro(福岡県福岡市)

福岡県福岡市の天神に店舗を構える「本のあるところ ajiro」は、詩歌を中心とした新刊書店です。

新鋭短歌シリーズや短歌ムック「眠らない木」などで近年の短歌界に強烈な存在感を示す出版社、書肆侃侃房が運営する書店です。といっても同社の本だけでなくあらゆる他社の手掛けた歌集はもちろん、私家版の歌集や同人誌、フリーペーパーなども取り扱っています。

また、ブックカフェということでコーヒーやジュース、ビールも提供しています。2018年9月に開業した新しくておしゃれな空間で、ゆっくりと歌集を楽しむなんてことをいつかやってみたいものですね。

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