短歌とは?短歌の事をもっと知りたい人のための22の質問とこたえ

TANKA Q AND A

この記事では、短歌のことに興味がある方に向けたQ&A形式による疑問への回答を提供をするものです。

そもそも短歌ってなんだろう?というまったくの初心者の方から、短歌をはじめてみたいけどどうすれば上達するのかな?というビギナーの方、そしていろいろ本を読んで勉強しているんだけどよくわからない言葉が出てくるといった脱初心者レベルまで、それら多くの方が疑問に持つであろう事柄をQ&A形式で回答していこうという試みです。

なお、あくまで管理人一個人の意見が元になっていますので、様々な方の意見も参考にしてもらえれば幸いです。

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短歌のことQ&A

短歌のルールは?

短歌のルールは1つだけです。57577の5句31音に言葉を合わせて何かを表現するという1つだけです。

よくある勘違いですが「季語」は必要ありません。季語が必要なのは俳句です。ちなみに俳句は575の17音です。

短歌の数え方は一句?一首?

一首(いっしゅ)です。

順次、二首(にしゅ)三首(さんしゅ)・・・百首(ひゃくしゅ)と数えます。一句(いっく)二句(にく)と数えるのは俳句です。

31音のルールは絶対?1文字でもオーバーするとダメ?

基本的に31音は絶対のルールではありません。32音だから、30音だからといって、これは短歌ではないなどと言われることはほとんどないでしょう。

しかしながら作品に対する評価や作歌姿勢としては専門家の間でも大きく意見が異なる問題です。「初心者のうちは絶対に1文字も過不足があってはだめだ」と厳しくされる方もいれば「あまり気にしないで、内容や言葉のリズムが不自然になる方を気にして」という方もいます。

個人的には31音に1~2音程度のオーバーはよくあることなので、あまり気にしなくてもいいかなと思います。当然推敲を重ねたうえでの話ですが。

また、オーバーするのは許容されがちですがアンダーすることはほとんど見られません。30音や29音の名歌といわれる歌は、滅多にお目にかかれないといっていいでしょう。なので指折り数え音が足りない場合は、極力音を増やす工夫をするよう心がけてください。

31音って、小さい「つ」とか伸ばす棒「ー」とかはどう数えるの?

促拗音の扱いは次のようになります。

  • 促音、いわゆる小さな「っ」は1音として数えます。
  • 長音、いわゆる伸ばす棒「-」は1音として数えます。
  • 拗音、ちいさな「ゃ・ゅ・ょ」などはその1文字を1音として数えません。

例えば「がっこう」は4文字で音も4音です。「ルール」も3文字で3音です。しかしながら「しょうり」は4文字ですが3音になります。

短歌に季語は必要?

先でも述べましたが、短歌に季語は必要ありません。季語が必要なのは俳句です。

古い言葉で作らなければいけないの?

そんなことはありません。たしかに古い言葉(古語とも文語とも)で詠まれた素晴らしい歌はたくさんありますし、一昔前はほとんどがそういった歌ばかりでした。しかしながら最近は有名な歌人でも今の言葉(現代語とも口語とも)だけで短歌を詠む人も多くなってきました。

自分自身が素敵だなと思う歌のスタイルで詠むようにすればいいと思います。

文語と口語を織り交ぜてもいいの?

基本的にはかまわない、といってもいいかもしれません。

やや歯切れが悪い感じの答えになりますが、専門家で大きく意見が分かれる問題です。基本的には一首において文語と口語は織り交ぜない方が歓迎されやすい風潮といえるでしょう。表現の一つの手としてたまに使うぐらいの印象です。

また、連作においてや歌集単位においても、文語の歌と口語の歌が入り混じっているのはあまり見受けられないでしょう。その歌人のスタイルとして固定的であることが一般的であると言えます。

昔の漢字やひらがなの書き方を覚えないといけないの?

そんなことはありません。たとえば漢字は昔々「声」という漢字を「聲」などと書きました。これを旧字とか本字などといいます。また、仮名書きについては「さようなら」を「さやうなら」とか、「言う」を「言ふ」などと昔は書いていました。これを旧仮名とか歴史的仮名遣いなどと言います。

一般的には文語(古文)で詠む方は旧字旧仮名、口語(現代文)で詠む方は現代の漢字と仮名遣いを選ぶ傾向が多く見られます。

いずれにしても自分が表現したい内容、歌風にマッチした表記法を用いればそれが何よりだと思います。

結社ってなに?

結社と聞くと秘密結社のような、何かよからぬものを感じさせますが、そんなことはありません。同じ目的を持った歌人の集団を短歌の世界では結社と言います。基本的に結社誌(つまり短歌の雑誌、会員の優秀作品が載る)を発行するのが目的なので、作家が所属するインディーで小規模な出版会社とイメージするのもいいかもしれません。

所属会員1,000人を超えるような全国規模の大結社から、10人にも満たない小規模な地方結社まで様々なものがあります。

結社には入らないといけない?

必ずしも必要はありません。

結社に所属しなくても大いに活躍している歌人は存在し、穂村弘さんや東直子さんは同人には所属していますが結社には所属していません。また、枡野浩一は同人などにも所属していませんが、非常に著名な歌人として活躍しています。

しかしながら一方で、第一線で活躍するような歌人のその7~8割は結社に所属している現実もあります。今は昭和のような厳しい子弟制度などもなく、結社の歌風に矯正させられるなどといったこともないようなので、結社に所属する方がメリットは大きいように感じられます。

歌会ってなに?

複数名で集まり自作の歌を発表、批評しあう会合の事です。

近年はweb上の歌会も盛んで、結社によるものからオープンなものまで様々なネット歌会が催されています。また、2020年以降は新型コロナウイルスの影響もあり、それまでのテキストベースの掲示板orチャット形式の歌会だけでなく、zoom等を用いたビデオチャットによる歌会も盛んになってきているようです。

歌会ってどんなことをするの?

一般的には事前に定められたお題に沿った歌(題詠)を詠んできて提出します。この歌は未発表を条件とすることが多いでしょう。そしてそれを参加者に名前を伏せて配布し、批評しあうことになります。ときにこれらの歌に対して投票を行い順位付けをすることもあります。

一口に歌会といっても、結社や集まりによってその形態はさまざまで、自由詠の場合もあれば、名前を伏せないこともあります。逆選といってダメな歌を選ぶスタイルもあるようです。

吟行ってなに?

主に外を散策しながら歌の題材を探して歌を詠むことを言います。複数人で行うことが多いでしょう。

また、散策と言っても一つの公園に集合し指定時間まで各々ばらけて行うこともあれば、数人で同行しながらルートをたどるケースもあります。時間もまちまちで食事をはさんだりお茶をはさんだりと様々です。中には泊りがけで行うこともあるようです。

ぶっちゃけ儲かるの?

ぶっちゃけ儲かりません。

プロになるためには?

優れた歌を詠める実力をつけることは言うまでもありません。

その具体的な方法ですが、やはり全国規模の大きな結社に所属して、優れた選者の指導を受けて実力を鍛えるというのが一番の近道でしょう。または、活動的で研究心旺盛な同人誌に所属し磨きあうというのもいいかもしれません。

いずれにしろ優れた環境に身を置くということに尽きるでしょう。独学で、というのはかなり厳しく難しい選択と言えます。

そうして実力を育んだのち、主要な新人賞をつかんで歌集を出版するというのが一般亭に想定される流れという感じになります。

主要な新人賞にはどんなものがあるの?

著名歌人への登竜門というべき新人賞は、やはり連作公募型の新人賞となります。中でも「短歌研究新人賞」と「角川短歌賞」は、歴史、知名度ともに双璧を成す印象で、歌壇デビューを目指す新人歌人が先ずは目指す新人賞という感じです。これに「歌壇賞」が続くという感じでしょうか。

また、最近では受賞者に歌集出版が約束されている「笹井宏之賞」「現代短歌社賞」「あたらしい歌集選考会」などの賞も、その存在感を高めてきています。

歌集ってなに?

一人の歌人の短歌作品を一冊の本にまとめたもので、短歌集や短歌作品集といえばわかりやすいでしょうか。

1冊の歌集の短歌収録数は、おおむね200~400首程度が一般的な数になると思います。もちろん中には100首を下回るものや1,000首に至るものまでさまざまで、これといった決まりはありません。

一個人によるものだけでなく、少数名による共著のものや多数名による合同歌集のようなものもあります。

また、写真や絵も同時に収録する歌画集、文章と収録する歌文集、俳句と収録する句歌集などといった形態もあります。

歌集を出版するタイミングは?

決まりはなくその人次第です。

年数的なところでいえば、技巧的に拙くとも、若いうちの激情や、生々しい感覚を色あせないうちにと短歌をはじめて2~3年で出版をする人もいますし、何十年とかけて結社の選者やそれに次ぐような立場になってはじめて第一歌集を出版する人もいます。それでも平均的なところでは5~10年程度に収まるのではないでしょうか。

タイミングとしても師匠的な方や先輩にそろそろどうかと勧められるパターンもあれば、自分から望んでというパターンも。また新人賞を受賞して自動的に決まるということもあるでしょう。

歌壇ってなに?

短歌界だとか短歌の世界、業界と同じ意味の言葉です。基本的には特に深い意味はなく使う場合が多いです。

一方でこの言葉は幅広い意味を持ち、全ての短歌の世界を指すこともあれば、趣味で短歌をしているような人を除いた玄人だけの関係を指すこともあります。

またさらには、より狭い範囲の中央の限られた結社の上層部や著名歌人らのみを指す場合もありますので、注意を払って文脈をたどる必要があるでしょう。

おすすめの入門書をおしえて

基本的に市場規模はさほど大きくない世界なので、現在普通に流通している入門書は限られています。また、そのいずれも一流と目される歌人や研究者が執筆したものばかりですので、どの入門書を選んでもさほど当たりはずれということはないでしょう。

なお現在流通している入門書については、本サイトの「今すぐ買える短歌の入門書25選」という記事で紹介しています。

短歌のことをもっと知りたいんだけど雑誌とかある?

様々な歌人の作品、評論や時評、ニュース、特集記事などなど、短歌業界の動きをまとめ、また作品の投稿も行えるような総合誌と業界新聞があります。

総合誌としては「短歌」「短歌研究」「歌壇」「短歌往来」「現代短歌」の5誌が存在します。

また業界新聞としては「うた新聞」「現代短歌新聞」「梧葉」の3紙が存在します。

人と会わずに上達する方法は?

歌会に参加することなく、投稿を繰り返して自らを磨くといいでしょう。良ければ採用されるし、悪ければ落とされるだけです。当然自分の作品の何が悪かったのかを探れる能力が問われます。

先ずは気軽に挑戦できるのはNHK短歌、短歌研究、短歌などの総合誌の投稿欄でしょうか。また新聞を取っている方はそちらの投稿欄に応募してもいいかもしれません。

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