この記事ではレトロフューチャー(スペースエイジ)なお部屋のコーディネートにぴったりな家電やインテリア、雑貨などを紹介します。
近年のレトロブームの中でも、ここ最近は特にレトロフューチャー寄りの動きが支持されているように感じます。今回は幅広いレトロフューチャーのスタイルの中でも特に古典的、典型的なスタイルを提案したいと思います。
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レトロフューチャーとは?
レトロフューチャー(またはスペースエイジとも)とは、レトロスタイルの1ジャンルであり、直訳すれば懐古主義的未来となります。つまり、レトロとみなされる時代(50年~80年代あたりの昔)に想像された未来の姿や、実験的なプロダクトデザイン、インテリアデザインを指します。
特に、その後の実際の未来には実現しなかったアイデアや技術を基にしたデザイン、マッチしなかったスタイル、消えてしまったプロダクトといったものが、より懐古的衝動を刺激するジャンルといえるでしょう。
また、NASAやアポロ計画に象徴されるような宇宙へのあこがれも色濃く反映されていて、特にスペースエイジというときには実際の宇宙技術やデザインを取り入れたアイテムも含めて語られます。
レトロフューチャーの特徴
- チープではなくリッチです。人々が思い描く未来は裕福なはずです。
- 基本的に製品のシルエットは直線的であるよりも曲線的です。しかし時代が下るにつれ直線的になります。
- 装飾的ではなくフラットで無表情です。急進的なモダニズムとミニマリズムといえます。
- カラーは白またはクロームを基調とし、裕福的かつ幸福的なポップカラーを多用することも多いです。
- 時代が幅広いです。基本的にレトロとみなされる時代すべてにおいて未来へのあこがれがありました。
レトロフューチャーを上手くまとめるためには?
- 素材としてのウッドは避けましょう。塗装によりそれとわからなければ良いですが、木目は見せるべきではないでしょう。それはあまりにも未来的ではありません。プラスチックや金属が採用されるべきです。
- 金属ではシルバーは避けクロムを採用しましょう。シルバーは伝統的で非機能的です。
- ゴールドは意外とよく似あいます。スターウォーズのC-3POのようにです。なによりゴージャスです。精密機械に金がよく用いられることに影響を受けているのかもしれません。
- 植物を上手に使いましょう。無機質な空間に有機的な植物はミスマッチに感じるかもしれませんが、非論理的かつ非現実的な世界観を大いに演出してくれるでしょう。
- ガジェットやモビリティなど、先進的で機械的なアイテムはマッチします。いかにもフューチャーレトロなアイテムというのはなかなか入手困難なため、穴埋め的に現代の電子機器を使っていきましょう。
- 時に革製品(ソファなど)を選び、レトロっぽさを補完してやりましょう。この未来的コーディネートは、あくまでも「レトロ」フューチャーであることを説明しましょう。
レトロフューチャーな家電 & インテリア 18選
ダイニングテーブル – エーロ・サーリネン チューリップテーブル
ダイニングテーブルまたはセンターテーブルは特に大きなインテリアとなり、コーディネートの主役に位置するアイテムです。だからこそここには典型的なデザインを持ってきたいものです。エーロ・サーリネンによってデザインされたチューリップテーブルは、レトロフューチャーの典型が生み出された時代における代表的なデザインのプロダクトといえるでしょう。
正円の天板と足元、無表情なプラスチック感を前面に押し出した、肉声を感じさせないデザインです。無機物と動物の中間にあるような植物のイメージが、かろうじて動物たる人間に安心感を与えてくれているようです。
ダイニングチェア – ABCインテリア エーロ・サーリネン チューリップチェア
チューリップテーブルにはチューリップテーブルを無難に合わせてやりましょう。他の多くのレトロスタイルよりも特に統一感を求められるのがフューチャーレトロスタイルでもあります。
デスクランプ – Louis Poulsen Panthella Mini
チューリップデスク、チェアと同じ哲学が流れるデザインです。ビビッドなカラーが映えるための白基調で統一していくのが基本ですが、このあたりでカラーを使ってもいいかもしれません。
ローテーブル – lushroom モダンデザイン センターテーブル
レトロフューチャーやスペースエイジのコンセプトのもとに生み出されたアイテムでなくとも、妙にはまるデザインというものはあるものです。もちろんこのデザイナーが勝手に意識してデザインしたのかもしれませんが。とにかく未来的なデザインを持つアイテムです。ポイントは、プラスチックのようなグロッシーなホワイトカラーであることと、比較的大きな角のラウンド加工にあるでしょう。
サイドテーブル – スペースエイジ サイドテーブル
商品名からスペースエイジを名乗るだけあって、たしかにこれぞスペースエイジデザイン!という感じがします。均質な流線形を切断し組み合わせた形状は、まったくの人工物的造形です。そこから土や木といった自然、もっといえば地球を感じることはできず、いわば宇宙的な空間を演出してくれることでしょう。
チェア – Sessle Eye ボールチェア エーロ・アールニオ
大胆かつ大げさな形状は、これまでのどんなデザインチェアにもなかったものです。それはどの時代に(たとえ現代でも)おかれたとしても、常に特異的で革新的で未来的です。使用者を包み込み保護するかのような形状は、ロボットのコクピットのようでもあり、その硬質で滑らかな形状は小さな小さな宇宙船のようにも感じられることでしょう。
ペンダントライト – Samzim PH5 PH50 Charlottenborg
1958年にポール・へニングセンによって生み出されたミッドセンチュリーを代表する照明デザインの傑作です。それまで(今も)単純な覆いとして役割と装飾的な意味合いしか持たなかったシェードを、光の反射を計算して機能的な存在に生まれ変わらせました。まさに懐古的な過去において極めて未来的でした。そしてまた優れたデザインというものはいつまでも先進的で未来的でもあります。
フロアランプ – Honey ミッドセンチュリー フロアランプ Bronze
過去において未来的なデザインを想像するとき、それが遠い未来であればあるほど文化的連続性を失って極端にシンプルになってしまいがちです。また一方で技術的なブレイクスルーを予測できないため、現在から見ると技術的にもっと違った形状になるはず部分がアンバランスに取り残されているものです。このフロアランプも可能な限りのシンプルさを追求しながら、電灯部分は白熱電球という想像力の壁に囚われていているような限界を感じさせます。それこそがレトロフューチャーであり、愛着を感じる部分でもあるといえるでしょう。
サーキュレーター – ボルネード VFAN2-JP-grn アンティークグリーン
扇風機ではなくサーキュレーターのほうが工業的で、いわば科学的で、つまり未来的な感じがすることでしょう。シンプルな構造に大ぶりな曲線でまとめられた形状といい、金属部分も含めてのカラーリングといい、実にミッドセンチュリーのモダニズムを色濃く反映した製品といえるでしょう。
壁掛け時計 – TOSSDICE 掛け時計 RETRO FUTURE WALL CLOCK
まさにレトロフューチャーをその名に持つ壁掛け時計です。コンセプトは70sにあるようで、特にクラシカルなイメージのレトロフューチャーを形にしています。典型的な円形でありながら数字を排しモダンに努めています。またブランド名「BamBooks the Heritage」の文字が、伝統をイメージさせる筆記体でありつつも、筆圧はシンプルに一定で字形として遊び心があります。あちこちに時代を超えようとする思惑が込められたデザインのきめ細やかさを感じさせます。そしてまた黄金の円盤は、パイオニアの金属板やボイジャーのゴールデンレコードを想像させるものがあります。
プレイヤー – DLITIME レコードプレーヤー
大掛かりで先進的な過去の技術というのは、実に懐古的な未来です。レコードというのは、芸術的、文化的には未だ愛され続け不滅であっても、技術的には死んだものといえるでしょう。それを今の技術で新たに生産して所有するということは、パラレルな存在しなかった未来を所有するようなものであるといえます。50年の時代を超えて、当時の人々が憧れたレコードデッキが新発売されたかのようなロマンがあります。
収納 – Kartell SFNT-K4967 コンポニビリ ホワイト
収納家具の名作コンポニビリは1967年にアンナ・カステッリの手により生み出されました。ミッドセンチュリーのモダニズムを継承するかのように極めてミニマルなデザインでありながら、イタリアンデザインらしいかわいらしさも備えています。正円で形作られたフォルムは、カラーとしてメタリックな白が最も似つかわしく、それはすなわちレトロフューチャーな空間を構成するアイテムとして十分な要素を持っているといえます。歴史的で、なおかつシンプルでモダンで、そして可愛げがあるというのはまさにレトロフューチャーそのものでしょう。
ラグ – KOQWS ジオメトリック柄 6畳
レトロフューチャーをあまりにも突き詰めすぎると、ちょっと落ち着かない空間が出来上がってしまうことでしょう。展示のための空間ならそれでいいかもしれませんが、実際に生活する空間となると困りものです。そこで、空間に温かみを与えるためにラグなど敷くといいかもしれません。ミッドセンチュリーを感じさせるジオメトリックな柄であれば、生活感が出すぎるということもないでしょう。
フラワーポット – LIYANHJ ミッドセンチュリー フラワーポット 60cm
息苦しくなりがちなレトロフューチャーな空間には、いかに安心感をバランスよく与えられるかが重要です。植物とレトロフューチャーは思いのほか合うものです。植物といってもできれば花が咲くものよりグリーンだけのほうが無難といえるでしょう。観賞的な意味よりも生存的な意味としての植物であれば、スペースコロニー的な印象も感じさせることができるかもしれません。
冷蔵庫 – SMEG FAB28 1ドア冷蔵庫 268L
レトロな冷蔵庫というのはいろいろとありますが、白やポップカラーが似合い、フォルムとして角に大ぶりなラウンド加工が見られるなどのレトロフューチャー的特徴を備えているのは、スメッグの冷蔵庫ということになるでしょう。
キーボード – Qwerkywriter S レトロタイプライター
当時において未来そのものであるコンピューターも小道具として活かしたいところです。それこそ今現実としてあるコンピューターのパーソナル化というのは、当時夢想された未来だったはずです。そのままに見せても仕方ないので、タイプライター風のキーボードでレトロに演出してやるべきでしょう。
腕時計 – FUTURE FUNK FF101S-SV
室内だけでなく外に出かけるときもレトロフューチャーを身に付けていられたら、きっと素晴らしいことでしょう。FUTURE FUNKの腕時計は、まさにレトロフューチャーがコンセプトです。提供されているラインナップのどれを選んでも間違いないことでしょうが、比較的シンプルなものの方が初期のレトロフューチャーにはよくマッチすることでしょう。
ボールペン – fisher BULLET スペースシャトル
レトロフューチャーをスペースエイジというときに、そこには実際の宇宙開発を感じさせるアイテムが欲しくなります。fisherのボールペンは無重力の宇宙空間でも使用できることを想定して作られています。NASAの厳しい検査にも合格し、実際の宇宙飛行士にも使われているボールペンです。まさにスペースエイジな空間を構成するホンモノのアイテムといえるでしょう。