Weekly 最適日常 vol.1(創刊号)

創刊のあいさつ

インターネット上の短歌の世界には毎週のように面白いことが起きてます。でもそれってなかなか追いきれないですよね。気付けば正に後の祭り、ということも多いのではないでしょうか。

毎週、定期的に短歌の情報が手に入れば、多くの人にとってきっと便利なんじゃないかと思います。特に短歌をはじめたばかりの人や、久しぶりに短歌に戻ってきた人が、より短歌を楽しむための助けになればいいなと思います。

できごとや公募情報が中心ですが、先々いろいろさらに楽しい企画を考えて載せていけたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。

短歌に関するアンケート – No.1

圧倒的に口語新かな派が多数という結果に。調査範囲がTwitter上のみ、サンプル数も少ないので大きく偏りはあると思いますが、今の短歌界の状況をよく示しているのかなと思いました。口語文語というよりも旧かなに対する拒否感がありそうな気もしますが、そのあたりまた注目してさらに大きく調べたいなと思います。

今週のできごと – 3/14~3/21

3/14最適日常による企画「短歌作家がつなぐリレーネプリシリーズ」が開始。第1弾は日向彼方『平和な世界で』
3/14国文学研者のカラーヌワット・タリンが開発中の「くずし字認識アプリ」の動作を公開。大いにバズる(1.9万RT, 4.4万いいね)無料アプリでの提供を予定
3/15irohaが「女性歌人の短歌を、穂村弘がやわらかに読み解く」を公開
3/15なるせが手書きによる短歌1首評を郵送する企画『あなたの短歌にお手紙書きます』を開始
3/15「Weekly 最適日常」Vol.0(創刊準備号)が発行
3/19「短歌研究」4月号。この号を最後に「うたう☆クラブ」がおよそ20年の歴史に幕を閉じた
3/19映画「滑走路」のDVD発売およびレンタル決定。6月4日から
3/20「泥書房」が正式オープン。1カ月のプレオープン期間を経て
3/20平和園の短歌ノートが6冊目に突入
3/21この日「世界詩歌記念日」
3/21ランダムにペアを定めて相聞歌を詠む企画「フルーツ・バスケット」が発表。4月1日から募集開始(主催:阿部啓, 魚住蓮奈)
3/21「あみもの」最終号(第39号)が発行

『短歌研究』の「うたう☆クラブ」が終了。2001年4月号からの20年の歴史に幕を下ろしました。21世紀の、ネット時代における短歌の学びについて、先駆的な役割を果たし終えたのだと思います。ありがとうございました。

映画「滑走路」のDVD発売おめでとうございます。映画が好評だったんですね。よかった。

三本木書院(現代短歌社)が運営する「泥書房」が正式オープンとなりました。詩歌専門書店であるとともに三百円で利用ができるライブラリーも。京都周辺の歌人にとって重要なスポットが生れたと言えるでしょう。銘菓「微風域」が美味しそうです。

『あみもの』の終刊は大きな変化をもたらすことでしょう。ネットで活動する歌人にとって、間違いなく中心的座標のひとつでした。御殿山みなみさんの偉大な仕事に敬意を表します。

もうすぐ〆切 – 3/23~4/5

だいたい毎月の投稿先

3/25階段歌壇 第11回WEB“気”
3/31J31Gate 第16回 (ジャニーズ短歌)WEBアイ
3/31現代短歌新聞「読者歌壇」郵送自由
3/31短歌くださいWEBタイムマシン
or 自由
3/31短歌の時間 第75回WEB発酵
3/31つらたんTwitter DMつらいとき,
つらいこと
4/1 着NHK短歌 (大森静佳 5/16)郵 or WEB不思議な歌
or 自由
4/1NHK短歌 (佐伯裕子 5/23)WEB職場 or 自由
4/1次席短歌連絡会 第6回Twitter(うたの日次席歌)
4/1短歌研究 詠草 6月号(米川千嘉子)郵(要券)自由
4/1覆面短歌倶楽部 第5回WEB or
Twitter DM
自由
4/3月刊うたらば 4月号WEB

だいたい毎年のコンテスト

もう少し先の重要投稿締切日

これからのイベント – 3/23~4/5

「芸人歌会」は特別編。今回はさまざまな業種の才能が歌を競べ合います。思いもよらない歌が飛び出しそうで楽しみです。

「『駅へ』トークイベント」重要な歌集が復刊され、その関連イベントがオンラインで開催される。この流れ広がるといいですね。

「フルーツ・バスケット」シャッフルでペアを決めて相聞歌を詠むって、おもしろい企画です。

「flipper連作短歌賞」の作品受付が始まります。主催の規模や副賞の額では既存の新人賞には及びませんが、その自由な立場から、特にネット上で活動する歌人にとって重要な賞になっていくんじゃないかと思っています。多くの応募があるといいですね。

俳句ポータル「セクト・ポクリット」の企画は有名な俳句を歌人が短歌に翻案するというもの。なかなかない企画にワクワクしますね。

歌集・歌書刊行情報

2/7サウンドスケープに飛び乗って久石 ソナ歌集書肆侃侃房
2/7水の聖歌隊笹川 諒歌集書肆侃侃房
2/7ロマンチック・ラブ・イデオロギー手塚 美楽歌集書肆侃侃房
3/1.3653日目 〈塔短歌会・東北〉震災詠の記録塔短歌会・東北合同歌集荒蝦夷
3/4黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える26人のがんサバイバー あの風プロジェクト合同歌集左右社
3/10遣らず平井 弘歌集短歌研究社
3/18バックヤード魚村 晋太郎歌集書肆侃侃房
3/31サワーマッシュ谷川由里子歌集左右社

『サウンドスケープ︙』『水の聖歌隊』『ロマンチック・ラブ︙』の3冊が、新鋭短歌シリーズ第5期のスタートを飾りました。ネット界隈でも名の知られた歌人の、魅力的な装丁の歌集は、大いに話題になりました。

「AICHI⇆ONLINE」で生れた合同歌集『ここでのこと』、コロナ禍のまさに前線で闘う医師犬養楓さんの『前線』、東日本大震災詠の10年の記録である『3653日目︙』など今に求められる歌集も相次ぎ出版されました。

平井弘さんの第四歌集『遣らず』、魚村晋太郎さんの第三歌集『バックヤード』といった大きな存在の歌集も相次ぎます。

『サワーマッシュ』は谷川由里子さんの第一歌集。若手の話題作を次々に手掛ける左右社からの刊行です。ミントブルーの鮮やかな装丁が印象的です。

今週の初薔薇さん – 3/14~3/21

乳飲み子が粥をひとさじ食べ始めだんだん小さくなりゆく乳房/黒あげは。

言葉選びに少しノスタルジックな風合いがある。それが最大公約数としての母像を刺激するのだろう。その切なさを下敷きとすることで、個人的体験の淋しさがいっそう増幅しているようだ。

残酷に生きているのに落ちている花を踏むときすこしためらう/桐島あお

動物の命を奪い、のみならず遠く人が死ぬことの遠因すら自分かもしれない。人は元より残酷だ。しかし一方で、人や動物どころか植物の身さえ案じる、それも人だ。しかもこの花の容体はすでに手遅れであるにも関わらず。

最適日常の企画

最適日常では現在『短歌作家がつなぐリレーネプリシリーズ』を提供しています。一人目の日向彼方さんからのバトンが渡り、現在は二人目の坂名かなさんのネプリが配信中です。ぜひ出力してお楽しみください。年内30人ぐらいは行くんじゃないかなと思っています。

次号以降について

せっかくならニュースや締切情報とかだけでなく、いろいろ誌面を充実させていきたいなと思っています。ぜひいいアイデアがあれば教えてください。なにか一緒にやりませんか?

最適日常の企画としては、4月には発表できるかもしれない企画が2本あります。お楽しみに。次号は3月29日に発行を予定しています。

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